第一部 戦災で廃墟と化した集落『チン・ルー砦』の跡地に高齢の母と住む貧乏書生の顧省斉(石雋)は、お役人の肖像画などを描いて小銭を稼ぎ、のんびり暮らしていた。
ある晩、誰も住んでいないと思われた向かいの廃墟から人の気配がしたので潜入してみる。 恐る恐る中を覗いてみると、そこには美しい女性、楊慧貞(徐楓)がいた。彼女はかつて謀略によって殺害された大臣の娘であり、父の腹心であった将軍たちと復讐の機会を狙っていた。同じ頃顧省斉のまわりには怪しげな役人達がうりつき嗅ぎまわるようになる。
ある時、盲目の占い師(白鷹)と彼女が何やら密談しているのを顧省斉は盗み聞きして、彼女の正体を知る。隠しきれなくなった2人は顧省斉に自分達が政府の反分子である事を話す。武術の心得はないが兵法の知識だけを学んでいた顧は楊達に協力して、砦に妖怪がいるとの噂を流し、役人を騙して一網打尽にする。その間に楊は「姿を消してしまう。
顧は去ってしまった楊慧貞を忘れられずに追う。彼女はかつて助けられ武術を修行した寺へ帰っていた。やがて、役人にかぎつけられ襲撃された所を、寺の高僧(喬宏)に助けられる。そのころ、楊と落ち合った顧。実は楊も彼に惹かれていた。そして、その晩、契りを交わすのだった。そのころ、顧が肖像画書いていた役人達も2人を追って居る事を知る。大勢の役人の捜索に、武術が優れている2人も、すぐに居場所がバレてしまい、乱闘になっては逃げる繰り返しの日々を送る。
第二部 砦の廃墟に役人の部隊を誘い込み、一気に殲滅する罠を仕掛け見事に全滅させる。が、戦略をたてた顧は、我に返り、死屍累々たる惨状にショックを受ける。しかも、彼女はまた姿を消していた。楊を捜して、山の中をさまよっていると、高僧が赤ん坊を彼に渡していく。それは、二人の子であった顧は、この赤ん坊を抱いて、村へ帰っていく。
その頃、役人の上官(韓英傑)が動き出す。楊と占い師もいいながら、油断した高僧を不意打ちして傷を負わせる。しかし、僧侶は金色の血を流す。驚く上官は、そのまま崖から落ちて死んでしまう。傷ついた楊はようやく立ち上がり、朦朧とした目で見上げると、僧侶は太陽を背に座っていた。日輪は光背のごとく輝き、その姿は、まさしく釈迦であった。 |